July 03, 2018

”ペーパーレス化”という言葉を聞いたことがありますか?

紙資源による環境破壊が進むなか、社会全体がペーパーレス化の流れに。 今後は会社を中心にペーパーレス化が、より推奨される社会になっていきます。

しかし、いざ会社をペーパーレス化しようとしても、なぜか上手くいかないもの。

事実、ペーパーレス化に挑戦した会社の多くが、十分な成果を上げていません。 むしろペーパーレス化を進めたことで、会社の業務に支障をきたしたという話も。

今回は会社をペーパーレス化すべき理由、メリット・デメリットをご紹介しましょう。

また、ペーパーレス化が進まない原因と、進めるためのポイントについても。 ”複合機”は必要なのかについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。


1.会社のペーパーレス化とは

会社をペーパレス化

冒頭で”社会全体でペーパーレス化の流れにある”と紹介しました。 では、そもそも”ペーパーレス化”とは何なのかについてご説明しましょう。

”ペーパーレス化=紙を減らすこと”

”ペーパーレス化”とは、紙類を減らすための取り組みのこと。

2016年、日本人が1年間に消費した紙類の量は208.7kg/人。 世界平均は56.5kg/人なので、日本人がいかに紙類を消費しているかが分かります。

紙類の原材料はご存知の通り”森林”です。

森林には二酸化炭素を吸収し、酸素を排出するという重要な役割が。 動植物の住処として、地球環境の浄化フィルターとしての役割があります。

森林を再生するには50年、場合によっては100年以上かかることも。

ペーパーレス化を進めなければ近い将来、孫の代には地球に住めなくなるかも。 地球環境を、ひいては将来の子どもたちのために今から行動する必要がある訳です。

ペーパーレス化の現状

ペーパーレス化の必要性は誰の目にも明らでしょう。

その上で、現在では以下のようなペーパーレス化がすでに始まっています。

  • 改札口でのICカード利用
  • 書籍(新聞や雑誌など)の電子化
  • ネットショッピング(ネット決済)

スマホやタブレットの普及により、最近では小学生でさえ携帯端末を持つように。 新聞紙や雑誌なども、電子書籍として端末から読める時代になりました。

小学生の中には、新聞紙の文字をスマホ感覚で拡大させようとする子がいるほど。

社会全体の流れからして、会社のペーパレス化はすでに止められないものなのです。

2.会社をペーパーレス化するメリット

会社をペーパレス化

会社をペーパーレス化するのは、社会全体の流れとして避けられないもの。 では、実際に会社をペーパーレス化すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか?

紙代を節約できる

会社で消費している年間の紙代、インク代はどれくらいですか?

複合機(カウンター料金)の印刷代はカラー20円/枚、モノクロ10円/枚が一般的。

1,2枚程度であれば、印刷代も20円,30円と安いものです。 しかし、100枚1,000枚となれば、決して無視できない費用に。

会社によっては日に100枚以上、週に1,000枚以上印刷しているところも。 複合機の印刷だけで紙代、インク代が年間50万円,100万円とかかっています。

経費の節約という面で、ペーパーレス化は会社にとってメリットと言えるでしょう。

紙類を保管しなくていい

会社で使用している紙類、その保管場所はどこにありますか?

一般的な印刷用紙の厚みは0.1mm程度。

10,20枚程度であれば、2mmにも満たないので気にもなりません。 ただ、1,000枚以上になれば1cm(100mm)とちょっとした雑誌ほどに。

毎日、毎週のように雑誌が溜まっていけば、棚はすぐ満杯になってしまいます。

大手の会社によっては、書類を保管するためだけに資料室を設けているほど。 紙類を保管するためだけに、空間(資産)を消費している訳です。

ペーパーレス化により使える空間が増える、会社にとってメリットなのは確かです。

情報検索が簡単になる

紙類(書類)の検索に辟易した経験はありますか?

先述した通り、会社によっては書類を保管するために資料室があるところも。 きちんと整理されているとはいえ、膨大な資料を検索するには時間がかかります。

まして、きちんと整理されていないと、砂漠から1粒の金を探し出すようなもの。

その点、ペーパーレス化すればすべての資料はデータとしてサーバーに保管されます。 日時、単語など簡単な”キーワード”から必要な資料を検索できることに。

ネット環境さえあればどこでも、どの端末(パソコンやタブレットなど)でも検索が可能です。

情報検索が簡単にと、会社にとって時間の短縮は間違いなくメリットです。

情報漏洩のリスクを減らせる

紙類を紛失、またはつい置き忘れたことはありませんか?

ちょっとした資料から契約書に至るまで、今までは紙媒体が使用されてきました。 紙類は視覚化しやすい反面、ついうっかり外出先で紛失してしまうことも。

万が一、機密書類を紛失すれば情報漏洩につながるリスクがあります。

社員は人間なだけに、いくら会社として注意してもついうっかりのリスクは無くなりません。 むしろ会社から締め付けすぎると、社員のストレスになり効率の低下を招きます。

ペーパーレス化ではデータはサーバー内に、パソコンやタブレットなどから閲覧します。

つまり、サーバーやパソコン、タブレットなどを会社側がソフト面で管理すればいいだけ。 ”データの暗号化”や”ID/PWの導入”など、情報漏洩のリスクを減らすことは可能です。

会社側で管理しやすいというのは、ペーパーレス化のメリットの1つに挙げられます。

環境に優しい

会社としてどのような環境活動に取り組んでいますか?

  • 気候変動枠組条約締約国会議(COP)
  • 京都議定書締約国会合(CMP)
  • パリ協定締約国会合(CMA)

上記のように、世界各国で地球環境の改善に向けた取り組みが協議されています。

また、先述した通り、日本人は年間に208.7kg/人もの紙類を消費。 子ども、孫たちのためにも社会全体で環境問題に取り組む必要がある訳です。

当然、環境に優しい、クリーンな活動をしている会社ほど社会の印象も良くなります。

ペーパーレス化もその1つとして、会社として社会貢献できるのはメリットです。

3.会社をペーパーレス化するデメリット

会社をペーパレス化

すでに環境問題が表面化している時点で、ペーパーレス化を進めるべきなのは確かです。 しかし、会社としてペーパーレス化を進めるには、いくつかのデメリットも考慮しておく必要があります

資料が読みにくい

電子書籍に読みにくさを感じたことはありませんか?

スマホやタブレットが普及した現在、新聞や雑誌などの電子書籍は当たり前。 過去に発行された有名書籍に至っても、次々に電子書籍化がされています。

しかし、紙媒体に慣れてきた世代にとって、画面上の文字というのは読みにくいもの。

特に、40代50代と、会社の管理職ほど電子書籍に馴染みのない世代です。 電子書籍に馴染みがなければ、いきなりペーパーレス化しても受け入れにくいでしょう。

資料が読みにくい、ちょっとしたことですが会社にとってはデメリットとして挙げられます。

メモが取りにくい

「ちょっとしたことでもメモを取れ」、誰しも先輩から言われてきたことでは?

ビジネスマンの必須アイテム”手帳(日記)”。 アプリが普及した現在でも、紙媒体の手帳というのは売れ続けています。

というのも、とっさにメモを取るとして、紙媒体だとささっと書きやすいのです。

対して、スマホでメモを取るには、起動させてからメモ帳を開いてと手間が。 若い世代ならまだしも、40代50代には手間に思える作業です。

女性社員の中には可愛い付箋やノートで、モチベーションを上げている方もいるでしょう。

メモを取ることに関しては、ペーパーレス化は会社に大きなデメリットを感じさせます。

システム障害が怖い

サーバーがダウンした、パソコンからデータが消去された経験はありますか?

技術が進歩した現代でさえ、データというのはちょっとしたことで消去されます。 ハードディスクの寿命は2,3年、それ以上だといつ故障してもおかしくないのです。

最近では「重要なデータはバックアップを」というのが一般的になりつつあるほど。

その点、紙媒体であれば、紛失や焼失でもしない限りは保存できます。 暗所で乾燥さえしていれば、紙媒体だと100年200年は問題ないです。

システム障害によるリスク、会社にとってペーパーレス化で考えておきたいデメリットです。

紙類での取引もある

取引先はペーパーレス化について積極的に取り組んでいますか?

先述した通り、環境問題の取り組みとして社会全体はペーパーレス化に進んでいます。 しかし、現実にはほとんどの会社がまだ紙媒体を主流に、ペーパーレス化には消極的です。

おそらく取引先のほとんどは紙媒体での取引を、契約を基本としているはず。

いくら自社でペーパーレス化を進めても、取引先が求めれば紙媒体の書類も必要に。 すべてをペーパーレス化するためには、少しずつ変えていくしかありません。

紙媒体での取引もある中で、自社だけペーパーレス化するのはデメリットなのです。

慣れないと使いにくい

スマホやタブレットなどで資料閲覧、作成をする機会はありますか?

スマホやタブレットが普及してきているとはいえ、主に若い世代が中心です。 40代50代の中には、今だに携帯(ガラケー)を使っている方も多くいます。

つまり、スマホやタブレットなどにあまり馴染みのない方も多いということ。

特に、会社で主戦力、発言力のある世代は40代50代です。 使い慣れていない端末を渡されても、ただ混乱して業務に差し支えるでしょう。

慣れれば便利でも、慣れないと使いにくいのでは会社にとってデメリットになります。

4.法改正もペーパーレス化を後押し

会社をペーパレス化

資料が読みにくい、メモが取りにくいなどデメリットはあるものの。 会社のペーパーレス化はメリットの方が大きい印象を受けます。

実は、法改正によっても会社のペーパーレス化を後押しする形に。

契約書や領収書の電子保存に関する、”電子帳簿保存法”が。

2015年12月以前は、3万円未満の取引に対して電子保存が可能でした。 しかし、2016年1月以降は、3万円以上のものも電子保存の対象に。

つまり、”契約書や領収書などはすべて電子保存していいですよ”ということです。

会社でもっとも処分しづらい紙媒体が契約書や領収書などの重要書類。 それらを電子保存できることで、大幅にペーパーレス化がしやすくなった訳です。

5.ペーパーレス化が進まない原因

会社をペーパレス化

”電子帳簿保存法”の改正により、ペーパーレス化のしやすい環境となったのは確かです。 しかし、いまだに多くの会社で紙媒体が主流となっている現状が、原因は何なのでしょうか?

経営陣が積極的でない

まず、”経営陣が積極的でない”ことが挙げられます。

先述した通り、経営陣の多くは40代50代、中にはそれ以上も。 つまり、スマホやタブレットなどの携帯端末に慣れていない世代です。

”書類=紙媒体”という意識のために、ペーパーレス化が受け入れらないことに。

仮に、ペーパーレス化を進めたとしても、環境にあまり馴染めないのです。 組織(会社)のトップであれば経営陣が積極的でないと何事も進みません。

紙でしか処理できないものも

次に、”紙でしか処理できないもの”がいまだにあることです。

というのも、ペーパーレス化はあくまで一部の会社でしか始まっていません。 大多数の会社(取引先)はいまだに紙媒体を主流に業務を行っています。

その為、いくら自社をペーパーレス化しても、取引先から紙媒体を要求されることに。

中途半端に紙媒体が残ることで、ペーパーレス化に歯止めをかけている状態です。 紙での手続きが残っている限りは、大幅にペーパーレス化するのは難しいのでしょう。

紙類の保管場所が多い

最後に、”紙類の保管場所が多い”というのも原因としてあります。

保管場所とは資料室だけでなく、会社によくあるちょっとした棚などもです。 重要書類は厳重に、ちょっとした資料程度は棚などにまとめている会社は多いもの。

”保管場所がある=保管してもいい”という認識があるのは仕方のないことと言えます。

むしろ保管場所、置く場所がなければ紙類を印刷しない、または処分するしなないことに。 不必要なスペース(保管場所)をなくさないと、ペーパーレス化の意識はできにくいようです。

6.ペーパーレス化を進めるポイント

会社をペーパレス化

ペーパーレス化が進まない1番の原因は、”環境が整っていない”ことと言えます。 では、反対に会社のペーパーレス化を進める上のポイントについて見ていきましょう。

経営陣から率先して行動する

当然ながら、ペーパーレス化を進めるには”経営陣が率先して行動する”ことが重要です。

先述した通り、経営陣(トップ)が率先して動かない限り、社員たちは積極的に動けないもの。 反対に、経営陣が率先して「ペーパーレス化すべき!」とすれば自然と社員たちは行動します。

正直、社員たちにとって経費削減、環境問題というのはあまり実感できるものではないのです。

紙とデータを上手に組み合わせる

”紙とデータを上手に組み合わせる”ことも、ペーパーレス化を進めるのには効果的です。

いきなりペーパーレス化に踏み切る、会社で紙類の使用を厳禁にするのは現実的ではありません。 取引先との書類もありますし、業務の中には紙類が必須のものも少なからずあるためです。

まずは紙とデータを組み合わせて、少しずつペーパーレス化にシフトしていくこをおすすめします。

タブレットを普及させる

ペーパーレス化を進めるには、”タブレットを普及させる”ことが必要となってきます。

ペーパーレス化するからには、データ(書類)を検索し閲覧するための端末が必要に。 パソコンでは持ち運びが不便ですし、スマホだと書類を読むには大きさとして適しません。

持ち運びと読みやすさ、両方に優れたタブレットを導入することがペーパーレス化の第一歩です。

7.ペーパーレス化に成功した会社

会社をペーパレス化

社会全体がペーパーレス化に進んでいても、会社としては簡単に決断できないもの。 そこで、ペーパーレス化に成功した会社の”成功事例”とその理由をご紹介しましょう。

段階的に導入した

地方議会所でのペーパーレス化に成功した事例。

”議会”というだけに毎日のように会議を開く必要が。 当然、毎日のように大量の資料が印刷され消費されてきました。

会議で使用される紙代を節約するために、ペーパーレス化をすることに。

しかし、議会には高齢の議員も多く、どうしても多くの反発があります。 スマホやタブレットだけでなく、パソコンにさえ慣れていなかったためです。

そこで若い議員の集まる会議、あくまで”試験的”という名目で進めることに。

一部の試験結果、コスト削減の成功例をもとに議会全体に広めていきました。 前例があると人間は受け入れやすいもので、段階的にペーパーレス化できたそうです。

徹底して紙類を排除した

中小企業におけるペーパーレス化の事例。

顧客に紹介する資料、会議などで毎月1,000枚以上の紙が消費されていました。 複数のフロア、部署に分かれていたために全体での消費量が把握できなかったほど。

複合機の紙代、インク代(トナー)を節約するためにペーパーレス化することに。

ただ、実際にペーパーレス化しようにも、紙類に慣れてきた社員たちから反発が。 「ペーパーレス化します」と通達した程度では、ほとんど消費量は減らなかったのです。

そこで、経営陣から全社員に対して「紙類の使用を禁止します」との通達が。

段階的ではあったものの、権力側の強制力によりペーパーレス化を進めたそう。 当初は混乱したようですが、徹底することでいまではペーパーレス化が当たり前です。

8.ペーパーレス化でも複合機は必要!

会社をペーパレス化

ペーパーレス化を進めるにあたり、現状では”紙とデータの組み合わせ”が現実的な選択肢です。 では、最後にペーパーレス化において、なぜ”複合機”が欠かせないものなのかご説明しましょう。

紙類を求めるクライアントは多い

ペーパーレス化に成功したとしても、紙類での処理を求める取引先は必ずあります。

むしろ大手企業、官公庁など”お硬い系”ほど紙類での処理を好む傾向に。 複合機を設置していないと、各種処理に必要な書類さえ印刷できない訳です。

ペーパーレス化を実行するにしても、少なくとも1台は複合機を残しておくべきと言えます。

紙媒体のパワーを抑えるのは難しい

自社の製品、サービスを取引先に紹介する機会というのは欠かせません。

ただ見せるだけ、その場で紹介するだけであればタブレットでも十分です。 しかし、取引先に検討してもらうには、資料として提供する必要が。

データでもいいのですが、いまだに紙媒体の方が資料として好まれる傾向にあります。

電子機器のリスクは常に考えるべき

サーバーやハードディスク、パソコンなどの電子機器はいつ故障するか分かりません。

適切に点検、整備していたとしても落雷や停電でデータが飛んでしまうことも。 人為的な操作ミスにより、データが上書きされてしまうことも考えられます。

電子機器のリスクを考えるなら、重要書類については紙媒体も欲しいところです。

9.会社はペーパーレス化ですっきりと

会社をペーパレス化

今回は、会社のペーパーレス化をするべき理由についてまとめてみました。

会社をペーパーレス化するメリットは主に5つ。

  • 紙代を節約できる
  • 紙類を保管しなくていい
  • 情報検索が簡単になる
  • 情報漏洩のリスクを減らせる
  • 環境に優しい

会社をペーパーレス化するデメリットは主に4つ。

  • 資料が読みにくい
  • メモが取りにくい
  • システム障害が怖い
  • 書類での取引もある

上記のようにデメリットはあるものの、社会の流れとしてもペーパーレス化は避けられないもの。 ペーパーレス化のメリット、デメリットを比較した上で会社としてどうするか検討するのがいいでしょう。

会社をペーパーレス化するポイントは主に3つ。

  • 経営陣から率先して行動する
  • 紙とデータを上手に組み合わせる
  • タブレットを普及させる

特に、経営陣から率先して行動しなくては、社員たちも積極的には行動できません。 むしろ日本の社会において、経営陣(トップ)が動けばペーパーレス化は意外とできます。

ぜひ紹介したポイントを参考にして、会社にとって有益となるペーパーレス化を実践してください。